この波の終わった時点で結果として「中小工務店が半分になる」と言うメッセージを出しましたが。別に、驚くべき話でもありませんし、この業界だけをおかしいと言う話でもありません。今回は世界のトヨタ(自動車)の話を書きたいと思います。
皆さんは最近のトヨタ自動車の国内における自動車生産数をご存知ですか?
4月のアベレージ8400台。近年の最高レベルは昨年の3月、18000台。現状のペイラインは13000台と伝えられています。そして、この数字を10000台に戻す努力が行われています。不幸中の幸いで、プリウスだけは作れば売れるとなっています。勿論、ラインをプリウス用に変えるのも大変で、可哀想なのは、トヨタ東北や麻生さんのお膝元、トヨタ九州、つまり比較的新しい工場で、バブル車種向け工場は、手がつけない筈であります。それでも、今現在、トヨタ自動車の管理職ボーナスは60%減。こんなこともあり、名古屋の歓楽街は火が消えたようになっていて、ご用達のお店も閉店したとこもある。一時はトヨタの駅前本社建設で銀座のクラブまで付いて行った事とは大きな差であります。
「強者の忍び足」…昔からのトヨタの教えに強者の忍び足と言う言葉があった。トップに立てば立つほど、強くなれば強くなるほどという話であります。昨年の秋、奥田さんの発言の時にも取り上げましたが、あの後、あるベテランの記者さんが章一郎さんと会う事があって話した時、トヨタには「強者の忍び足」と言うのがありましたよねと聞いたら、彼は「本当の強者かは判らないよ」と言ったそうだ。数字は力でありますが、そこに潜む何かを章一郎さんは感じていたのかも知れない。
我々程度の第三者が見聞きしていても、本音としてはその半年前から一部危機感が出て来たと聞いた事があるのだから。トヨタ自動車でさえ、所謂トヨタ病が出ていたのかも知れない。
今度、章一郎さんの息子、一時、イリノイ・シカゴのA・G・ペッカーと言う投資銀行(メリルに買収される)に勤めていた事もある。章男さんにどのようなトヨタがまっているのだろうか?
いずれにしても、なぜ国内販売が儲からないのかと言う事と、バブルとは如何に会社を変えてしまうかという二つの事を再確認させられた事象だった。
「トヨタとバブル」…奥田さんはどんな人だったと知っている人に聞くと、そんな人じゃ無かったよ。財界活動を一生懸命遣っている鐵とか電力の人をご覧よと言ってた人だよ。それを変えたものは何だったか、NO.2でいいけれどGMは敵でないと判った時と同時に、日本政府との関係が変わった時に、奥田さんをその知っている人は驕りが出たんだよと言った。あるOBは言った、事務所の床のジュータンで転ぶんだ(足が引っかかって)…。
生産・販売面でも変化が出ていた。最近日本でも宣伝し始めたけれど、
残価設定方式でアメリカでは、自動車を売り、それもハイエンドカーを買わせる。口の悪い人に言わせると、自動車版サブプライムを遣ってたんだよ。工場設備でも、普通トヨタは、一車種しか生産できない工場は作らなかった。それが、
テキサス工場(ブッシュ関連)は左のリンクを見れば判るようにタンドラー20万台の単独生産。タンドラー大型のSUVであります。売れれば一番ウハウハな車種です。
これが、トヨタがアメリカバブルに浸っていたと言う事です。他社も大きな赤字を出していますが、
ミシシッピー工場の投資負担もあり(工場中止・既に工事済み)、他社が2人連続赤字で済むのに対して、トヨタは3年連続の大赤字は硬いのではと言われています。会長の張富士夫さんがどっかで言ったそうで、
スマートな形で再生したいと言っているそうで、かってリストラなんてしないと言った奥田さんが完全退任する6月以降に新社長体勢下で、トヨタもリストラ・工場閉鎖となると個人的に予想する。1000万台の生産能力で650万台生産では誰が遣っても利益は上がる訳はない。
新興不動産会社だけでなく、トヨタでさえバブルの罠に嵌ってしまったと言う事なのでしょう。経理担当の副社長が財務も兼任したり、更には経営企画などの部門も管轄するようになると、歯止め役がいなくなると言う事もあるのでしょう。リスクコントロールの大事さを再認識した事件でありました。
強者は忍び足。では、中小は何を持つべきなのでしょうか?そこが今日のポイントです。皆さんがこの業界にいたいのなら自分で考えて行動するべきです。人に言われてする事ではありません。自分で考えたからこそ、それが苦しくても遣り遂げられるのです。